最近は心理学・自己啓発の本ばかり読んでいて、何か面白い本はないかなとKindleで検索して見つけたのが、
『面白くて眠れなくなる数学(著:桜井 進)』
個人的には、大当たりでした。
学生の頃、数学の先生が著者の桜井さんだったらもっと数学楽しめただろうなーと読んでいて思いました。
公式から入る学校教育に対し、著者のアプローチは数字や公式の意味やストーリーから。
やり方ではなく、なぜやるのかを教えてくれる教育者は素晴らしいですね。
本記事は、『面白くて眠れなくなる数学』の特に印象に残った話を厳選して紹介します。
ネタバレ注意!!
これ以降、ネタバレ含むので注意!
ネタバレしてから読んでも面白い本ですが・・・
面白くて眠れなくなる数学の話(厳選)
本書の中で、特に面白かった数学の話を厳選して紹介します。
アレンジすれば朝礼の時や雑談時の小ネタとしても使えます。
あとは、昔に習ったが、今はすっかり忘れている対数なども思い出せます。
ウェーバー・フェヒナーの法則
ウェーバー・フェヒナーの法則とは「人間の感覚の大きさは、受ける刺激の強さの対数に比例する」という法則です。
対数という言葉が出てきました。覚えていますか?後ほど簡単に説明します。
ウェーバーの法則を弟子のフェヒナー(ドイツ 1801-1887)が発展させて導き出したので、
ウェーバー・フェヒナーの法則と呼ばれています。
ウェーバーの法則
ウェーバー(ドイツ 1795-1878)は分銅を使った重さの感じ方の変化について実験を行いました。
手のひらに乗せた分銅を100gから110gまで増やした時の感覚の変化は、
1000gから1010gまで増やした時ではなく、
1000gから1100gまで増やした時の感覚の変化に近かった、
つまりは実際の重さの変化量ではなく、変化の比率(この場合10%アップ)が同じ場合に、
感覚の変化が同じになるという法則をウェーバーが導き出しました。
ウェーバーの法則
感覚(感じ方)の変化が等しくなるのは、
100→110g = 1000g→1100g
の時である
ウェーバー・フェヒナーの法則
このウェーバーの法則を引き継いでフェヒナーが研究を続けます。
(感じる)感覚の変化の強さは、基準となる刺激の強さに反比例し、刺激の増加分に比例する、
ということを導き出し数式に落とし込みます。
簡単に説明すると、
1000g→1100gが「1 重たいと感じた」とすると、
「2 重たいと感じた」になるのは1200gになった時です。
式にすると、ΔR=k (ΔS/S)
ΔR : 感覚の変化量
ΔS : 刺激の変化分
S : 刺激の強さ
で、この式を積分していくと、
ウェーバー・フェヒナーの法則
感覚量は刺激量の対数に比例する
R=k log(S/S0)
R : 感覚の強さ
k : 係数
S : 刺激の強さ
S0 : 基準となる刺激の強さ
logは対数、
対数は掛け算の回数と覚えてください。
log1000 = log10x10x10 = log10の3乗 = 3
刺激が1000倍になると感覚はおおよそ3倍になる
と言うのがこの法則です。
匂いや聴覚のことを考えてみれば、正しいような気がしますね。
小さなエアコンの音も、オーケストラの大音量も同じ感覚で聴くことができるのはこのためです。
クレジットカードのアルゴリズム
本記事のタイトルにもなっているクレジットカードの番号を決めるルールについてです。
VISA、JCB、MasterCardのクレジットカードは16桁、アメックスは15桁、ダイナースは14桁です。
アメックスの場合は先頭に0を、ダイナースの場合は先頭に00を付けることで16桁として扱うのが普通です。
またクレジットカードの先頭の数字はカード会社ごとに決まっており、VISAなら4、マスターカードなら5といった感じです。
さて、ここであなたのクレジットカードの数字を下記のルールで計算してみてください。
クレジットカードの番号
①1の位(一番右側の数字)から数えて奇数番目の数字はそのまま
②偶数番目の数字は2倍にする
③2倍にした数字が1桁ならそのまま
④2桁なら10の位の数字と1の位の数字を足して1桁の数字にする
⑤このようにして得た16個の数字を全て足す
→合計は10の倍数になる
例)
4980 0001 2345 6788
4 → 4x2 → 8
9 → 9
8 → 8x2=16 → 1+6 → 7
0 → 0
0→ 0x2 → 0
0 → 0
0→ 0x2 → 0
1 → 0
2 → 2x2 → 4
3 → 3
4 → 4x2 → 8
5 → 5
6 → 6x2=12 → 1+2 → 3
7 → 7
8 → 8x2=16 → 1+6 → 7
8 → 8
8970 0001 4385 3778
8+9+7+0+0+0+0+1+4+3+8+5+3+7+7+8 = 70
あなたのカードも10倍数になりましたか?
実はクレジットカードは最初の15桁はカード会社が決めますが、
最後の1桁は「チェック・デジット」と呼ばれ、最初の15桁の数字に基づいて数学的に決まります。
この最後の1桁で必ず10の倍数になるように調整しています。
足した結果が10の倍数になるのではなく、10の倍数になるように16桁目の数字を選んでいるのです。
カードの偽造や数字列の誤りを検知するために用いられる技術として使用されています。

話が変わり恐縮ですが、
クレジットカードといえば、アフィリエイトのセルフバックの王道。
完全無料で数万円のキャッシュバックが貰えます。
詳しくは下記の記事を参考にしてみてください。
覚えやすい暗算
少しドヤれる覚えやすい暗算を紹介します。
・100に近い数字の掛け算
例)97x98=9506
千の位は9
百の位は一桁目の足し算の合計の一桁目
→7+8=15→5
十と一の位は100からそれぞれの数字を引いた数の掛け算
→(100-97)x(100-98)=6
※このように分解した時の計算を易しくしたのが上記
97x98=(100-3)x(100-2)
・11
11はレピュニット数と呼ばれるそうです。
11x11=121
111x111=12321
1111x1111=1234321
11111x11111=????????
もうお分かりですね。
掛け算をする桁数の数字まで増えて、その後1に戻ります。
最後の答えは
123454321となります。
・10個の連続する自然数の和
10個の連続する自然数の和は5番目の数字の後ろに5をつけた数字となる
1+2+3+4+5+6+7+8+9+10=55
→5の後ろに5をつけて55
12+13+14+15+16+17+18+19+20+21=165
→16の後ろに5をつけて165
・9の倍数
9の倍数は各桁の数字の合計が必ず9の倍数となる。
9
18 → 1+8=9
999 → 9+9+9=27
AMラジオの周波数は全て9の倍数
数学にまつわるマメ知識
・ノーベル賞には数学賞がない
アルフレッド・ノーベルは、同じスウェーデン人のミッタク・レフラーという数学者の権威と仲が悪かったため、
遺書に数学賞を書かなかったと言われています。
数学の権威との調整が面倒だったことや恋敵だったとも言われています。
カナダの数学者ジョン・チャールズ・フィールズが提唱し、彼の遺産を基金としたフィールズ賞が、
数学のノーベル賞的な立ち位置になっています。
・黄金比と白銀比
黄金比 = 1:(1+√5)/2 = 1:1.618....
白銀比 = 1:√2
黄金比は美術、ものの美しさ、に使われています。
白銀比は機能性を作り出す数字と言われています。
A4などのコピー用紙の縦横比は白銀比です。
・数字あてゲーム
昔、学校で流行った数字当てゲーム、
HUNTERxHUNTERのヒソカというキャラも使っていました。
トランプの数字、A(エース)からK(キング)までの中から1つ好きな数を選んで頭に思い浮かべて下さい。
思い浮かべたらその数に4を足して、さらに倍にして下さい。
そこから6を引き、2で割った後、最初に思い浮かべた数を引いて下さい。
答えは1(A/エース)でしょう?
思い浮かべた数字をxとすると
(x+4)x2 = 2x+8
2x+8-6 = 2x+2
(2x+2)÷2 = x+1
x+1-x = 1
必ず1になります。
まとめ
『面白くて眠れなくなる数学』
非常にサクサク読めて面白い本でした。
何度も言いますが、学生時代の数学の先生がこの著者のような人だったらなぁ。。。。
やはり、教育でも業務指示でも、相手の興味や意味、意図を見つけてあげるところから始めるのが正しいのだと、
改めて気付かされる良書でした。
シリーズ本もおすすめなので、下記にリンクを貼っておきます。
興味がある方はぜひ読んでみてください。