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【時間がない人のための要約】精神科医が教える聴く技術

この記事は書籍「精神科医が教える聴く技術」を時間がない人のために、個人的に重要だと感じたポイントを抽出し要約した記事となります。

一部ネタバレを含みます、書籍でしっかり読みたい方はこの記事は読まずにそちらで読んでください。

毎年数百冊の本を読み、その中でも印象に残った本・ためになった本のみを厳選して要約をしています。この記事を読んでみて、本書籍に興味が出た方はぜひ書籍の方も読んでみてください。

本書はこんな方におすすめ

・会話スキルを上げたい
・人の話をよく聴ける人間になりたい
・異性にモテたい

1.結論

時間がない人のために、この本の私なりの「超ザックリ結論」を先に書きます。

口をはさまず、黙って聴く

本書においては、聴く技術を以下の4つのステップに分けて解説されています。

①黙って聴く
②賛成して聴く
③感情を聴く
④葛藤を聴く

多くの場合、会話や相談、カウンセリングをしている時、人間は相手に解決法を求めているのではなく、同意を求めているということから理解していく必要があります。

『同意を求めている』自分の過去の経験と照らし合わせてみれば、なんとなく分かる気がしませんか?
会話の基本が「否定形」の相手がうっとおしいのもこのことと関係しています。

相手が実は『解決法を求めているのではなく、同意を求めている』ということが理解できたとしても、『黙って聴く』ことはめちゃくちゃ難しいです。

相手が話している間も、『聞いているふりをして、次に自分がしゃべることを考えている』という人が大半ではないでしょうか?

何度も本書を読んでいる私も未だにそんな感じです。。。。

精神科医である高橋和巳さんに書かれた本書籍は、彼が精神科医、カウンセラーとしての経験から得た『黙って聴く』ための技術やコツが述べられています。それらを一緒に見ていきましょう。

2.要約・エッセンス

聴く技術 4つのポイント

①黙って聴く
②賛成して聴く
③感情を聴く
④葛藤を聴く

聴く技術は上記の4つが重要です。

相手の話を「黙って、大いに賛成して、世界を代表して聴く、(音として)聞くのではなく(しっかり身を入れて)聴く」そして、相手が求めていることは「解決案ではなく、同意や後押し」ということを知る、というこの2点がこの本の要約と言えます。

それでは、それぞれの4つのポイントについて詳しくみていきましょう。

黙って聴く

黙って聴く」は最初に学ぶ技術です。

「黙って聴く」ことの目的は、

相手にたくさん話をさせて、相手が話をしているうちに、『深い悩みまで語り、今まで自分で気づいていなかったことを発見し、それを言語化することで、思いかけずに問題解決のきっかけを得る

ことです。

悩みや問題を解決するのは、悩みの全てを把握していない聞き手ではなく、あくまで自分です。

黙って聴くための3つの指針は下記の通り

黙って聴くための3つの指針

①絶対に口を挟まない
②絶対に質問しない
③絶対に助言しない

基本は、相づちするかうなずくだけで、聴きとれなくても聞き返さないことが良いとされています。

参考に、座禅や瞑想などは、相手なしで一人で自分が知らない自分を知る方法とも言われています。

瞑想についてはこちらの記事を参考にしてください。

【ライフハック】心身の健康・美容のためのお手軽習慣 Part.1【健康時間】 40代からの人生を豊かにするための自己投資 (kreading0620.com)

賛成して聴く

何故、黙って聴けないのか?

それは話に賛成できていないからです。

相手の話全てに賛成するのは難しいので、以下の対処法が有効です。

口を挟みたくなる場合の対処法

①聴くのを諦める
②悩みの本質を理解する

聴くのを諦める

賛成することが難しい場合、聴くのを諦めて、心して黙っていようと思いましょう。
相手は対策案は求めていないので、聴き流して問題ありません。相手が愚痴を出し切ることができれば成功です。

悩みの本質を理解する

相手の悩みの本質を理解していれば、愚痴を聴くのが楽しみになる。
人間だれしも、想像がつく展開には理解を示すことができます。まずは相手の悩みの本質を理解しましょう。

悩みの本質を理解すると突然言われても難しいと思います。

ただ、人の悩みには4つの種類しかなく、どの悩みも共通の構造をしています。これらを把握しておけば、ある程度は相手の悩みを理解することができると思います。

人の悩みの4つの分類

①人が怖い
②自分を責める
③人とうまく付き合えない
④死ぬのが怖い
 ≒不健康なのが辛い

そして、4つの悩み全てに共通となる構造があります。

A:こうしたい、こうすべきだが
B:そうできないので、悩み苦しむ

このAとBの対立構造が人の悩みの本質となります。これらを理解しておきましょう。

別の本などでは人間の4つの悩みは「人間関係」「お金」「健康」「将来」と分類されていることもあります。これも参考に覚えておきましょう。私はこちらで覚えています。

感情を聴く

話し手は共感されると話しやすくなり饒舌になります。

しっかり共感できるように話し手の感情の状況を観察できるようになりましょう。

悩みを抱えている人の感情は次の順番で流れていきます。

感情の階層

レベル1:不安と頑張り
レベル2:抑うつ
レベル3:怒り
レベル4:恐怖
レベル5:悲しみと諦め
レベル6:喜び

カウンセリングに来る人はほぼ、この流れで感情が流れていくそうです。

不安になり、気分が沈み、怒りを感じ、恐怖に転じ、諦め、最後に開放されたことにより喜びに変わる。

また話し手が「静かに」なる時は、解決が近い時も多いとのことです。

この流れを知っておくことで、相手の話に共感するよう心掛けてください。

少し脱線します。

共感できる人』は異性(というより人間全体?)にめちゃくちゃモテます。人間だれしも自分のことばかり話す人間より、自分の話を聴いてくれる人間が大好きです。


女性とメールや通話をする時は、「うん、それは大変だね」「うん、それは疲れるよね」「それは楽しいね」「それは○○だね」と返すだけで90点を取れるのではないか?と思えるほど『共感』はすごい威力を秘めています。

ただ通話の場合、同じテンポで「うん、うん」と返していると、相手は非常に高確率で「ねえ、ちゃんと聴いてる?」とするどいツッコミを入れてくることがあります。

適当に聴いているのをバレないように、相手の質問にはちゃんと答えることができるように準備しておきましょう。質問を聞き逃していた場合は、「ちょうど電波が悪くて聞き取れなかったけど、話を中断させたくなかった作戦」を使うのも有効です。

葛藤を聴く

葛藤とは、先ほど話をしたAとBの対立構造の間で苦しんでいる状態です。

A:こうしたい、こうすべきだが
B:そうできないので、悩み苦しむ

相手の葛藤を理解し、賛成して聴き続けることで、相手が自分の葛藤は大したことはないと気づき、その葛藤を手放せるようになることが話を聴く技術です。

3.まとめ

聴く技術』は相手の話を聴けるようになるだけではなく、自分の『心を知ることができる技術』でもあります。

①自分の心に浮かんだ言葉や感情を黙って聴く
②正当な理由があるはずだと賛成して聴く
③言葉に隠れる感情を聴く
④自分の葛藤を聴き、大したことはないと気づき、手放す

この流れを理解して、これからは相手の話をじっくり聴くように心がけてみましょう。

黙って聴くことは非常に難しいです。

私も「うん、分かるよ」と言いながら、ついつい口を挟んだりしてしまいます。ここまで読んでいただいた方はもうお気づきだと思います。

口を挟んでる時点で、全く分かってない・・・と。

最後にもう一度だけ、結論を書きます。

口をはさまず、黙って聴く

一緒に頑張りましょう!

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