この記事は書籍「シン・サラリーマン」を読み、個人的に重要だと感じたポイントを抽出し要約した記事となります。
一部ネタバレを含みます、書籍でしっかり読みたい方はこの記事は読まず、まずはそちらで読んでください。
こんにちは、Kです。
毎年数百冊の本を読み、その中で特に印象に残った本・皆さんのためになりそうな本を厳選して要約しています。
この記事を読んでみて、本書籍に興味が出た方はぜひ書籍の方も読んでみてください。

本書はこんな方におすすめ
・将来が不安なサラリーマン
・転職を考えている方
・副業を始めたい方
目次
結論
本書の結論は表紙にも書かれているように、
人生100年時代のサラリーマンに必要なもの、
それは、出世より「3つの武器」
リーマン力/副業力/マネー力
この3つの武器をこの順番通りに手に入れること。
これに対し、私の書評としての結論、
つまり本書がどんな方にとっておすすめかというと、
・現職でスキルを伸ばしたい方
・転職成功者のアドバイスが欲しい方
・副業を始める心構えが知りたい方
このような方たちにとっての必読バイブルであるというのが私の結論となります。
著者が読書から得た様々なビジネススキル、経験に基づく転職や副業の極意がぎっしり詰まった本です。
自己啓発書デビューの方から、読書のアウトプットを行動に移す段階の方へもおすすめできる『シン・自己啓発書』ではないでしょうか。
著者の紹介
著者のサラタメさんは、チャンネル登録人数64万人のサラリーマンYoutuberです。
テンポのいいしゃべりのビジネス書要約動画が大人気です。
私も苦手な本(私の場合、外国人が書いたベストセラーを翻訳した本が非常に苦手)は読まずにサラタメ動画に頼っています。
そんなサラタメさんの初の著書がこの『シン・サラリーマン』です。
名著300冊、自身の転職経験、副業が軌道に乗るまでの経験をまとめた作品となっています。
要約
では、要約です。
まず著者は最初に「2つの給料袋」を持つことを提案しています。
本業+副業で2つの給料袋です。
それは、収入がアップすれば、仕事を選べるようになるからです。
収入源が1つであると本業での出世にばかり目が行き、嫌な仕事であれ何であれ、我慢して続けるしかない、という状況に陥ります。
収入源が2つになると、自分で仕事を選べるようになります。
収入が増えることも大切ですが、この自分で仕事を選べる状況というのが大切です。
それは人生長い目で見ると、好きな仕事=楽しめる仕事=天職を見つけることこそが真の安定と幸福に繋がるからです。
お金だけでは人間は低次の欲求しか満たせず、承認欲求や自己実現欲求を満たすことはできません。
(参考:マズローの欲求5段階説)

上記の理想的な状況を生み出すために著者が出した結論が
出世より「3つの武器」
①リーマン力:時間を作る
②副業力:稼ぐ
③マネー力:資産を守る
この3つの武器を順番どおりに手に入れることでした。
確かに私も経験上、本業以外の収入が増えると本業での「絶対やらねば!」という強迫観念はかなり減りました。
むしろ肩の力が抜けすぎて、面倒な仕事はサボる(避ける)ようになりました。
この状況は後述のエッセンシャル思考と抜群に相性が良い状況だったりもします。
リーマン力
まずは、リーマン力を高めます。
本書で取り上げられたエッセンスをいくつか選んで説明します。
仕事力の向上
サラリーマンとしての仕事力が向上すると、会社での人間関係や周囲からの評価(先ほどの承認欲求ですね)も上がり、その時点で本人の幸福度も上がります。
さらには、仕事のスピードや成果が上がることで、副業に費やす時間を確保できるようになります。
おまけに副業に必要なスキルやマネジメント能力も向上します。
ここでのサラタメさんのアドバイスは
『仕事では常にSTARを意識して働こう』です。
STAR
・Situation:状況分析
・Task:課題設定
・Action:行動
・Result:結果検証
自分で課題を見つける人材になること=仕事力の向上です。
※トヨタ流問題解決も型としてはSTARです。
ご参考に
人間関係
合わない上司は「いっそのことあきらめる」
上司の好き嫌いは「他人の課題」です。「課題の分離」を行い、合わない上司に何も期待しない。
業務を頑張る、自分の仕事力を向上させる、など自分がコントロールできる「自分の課題」のみに焦点を当てる。
アドラー心理学ですね。
「他人に何も期待しない」
これができるようになれば、あなたの会社での人間関係は劇的に改善します。
思考法
自分では考えているように見えて、ただ悩んでいるだけではありませんか?
悩んでいるだけでは、仕事の答えは出せません。しっかりした思考法をマスターする必要があります。
①悩みを書き出し対処法を調べ、To Doに変換
②結論-理由-根拠のピラミッドストラクチャ
③イシューからはじめる
悩むだけではなく、対策を決め行動に落とし込むこと、論理的に考えていくことが大切です。
上記を詳しく学べる書籍のリンクを下記に貼ります。興味がある方は本を読んでみてください。
ネット検索だけでもある程度学べます。
報連相
仕事の効率化のため、上司にしっかり報連相することも大切です。
※報告・連絡・相談
忙しい上司には、
所要時間・テーマ・報連相のどれかを伝えて簡潔に説明しましょう。
時間:3分いただけますか?
テーマ:企画書の件で
報連相:進捗を報告します
内容はPREP法で簡潔に伝えましょう。
PREP法
・Point:結論
・Reason:理由
・Example:例
・Point:まとめ
ビジネスの場では、結論から伝えます。
起承転結など結論が最後でも喜ばれるのは小説や漫画の世界だけです。
営業・交渉術
サラタメさんが様々な心理学テクニックを紹介してくれていました。
ザイオンス効果、一貫性の原理、返報性の原理、両面提示、損失回避の法則など。
興味のある方は、下記の書籍、もしくは本ブログの記事を参考にしてください。
ブログは無料です(笑)
定時退社術
エッセンシャル思考です。
2割の重要な仕事に全力投球しましょう。
実は8割の仕事は無駄だったりします。
無駄な会議、無駄な調整、上司のプライドのためだけの根回し、
業務の無駄を避け、定時で帰って副業に時間を割きましょう。
その他、朝に仕事の時間割を作ることやその他時短術も紹介されています。
私も過去に時間管理術の記事を書いていますので参考にしてください。
転職
リーマン力の最後は「転職」です。
ブラック企業からホワイト企業に転職を成功させたサラタメさんの生々しいエピソードや攻略法が満載でした。
転職支援サービス、転職サイトの説明や面接や職務履歴書の書き方のコツまで網羅。
ホワイト企業への転職を狙っている人はいますぐ「シン・サラリーマン」を買って、「転職」の章を読みまくりましょう。非常に詳しく解説してくれています。
本書で述べられいる転職のコツは、
・自分のcan(できること)は何か?
・再現性
・継続性
面接や採用試験では、
転職先で自分のどの能力を活かせるのか(再現性)、
どれだけ長く働いていけるのか(継続性)、
をしっかりアピールすることが大切です。
またホワイト企業の見極め方は、
・儲けている業界
・労働集約型ではない
・競争が激しくない=新規参入が難しい
・消費者ではなく法人相手の商売
など、
サラタメさん独自の経験と調査から非常に詳しくまとめられています。
ホワイト企業・ブラック企業の業界マップまでありました。
インフラ・エネルギー・元国営企業がやはりホワイト、客商売で競合が多い企業がブラック。
大事故を起こした結果、国民の税金は上がったのに、ちゃっかりボーナスが復活するような半国営企業はやっぱりホワイトのようです。。。
要点のみざっと流してきましたが、リーマン力の説明は以上です。
ホワイト企業に所属し、個人の仕事力を上げ、副業をする時間を捻出することができる『リーマン力』がまずは必要であるというお話でした。
副業力
サラタメさん、その他、副業で成功をおさめた方たちの話が収録されています。
そしてみなさん副業が成功するまでには2年程度の下積みを耐えてきたことも語られていました。
まずは副業のおいしすぎるメリットとして、
①収入が青天井
②ボスが自分
③名刺代わりになる
これにプラスして個人事業主となり経費が活用できることが挙げられています。
会社は利益を社員全員に分配するのに対して、副業は成功すれば間引かれずに全ての収入が自分に舞い込むことから収入が青天井、さらにその業績全てが自分のものになります。
副業には上記のメリットがありますが、
著者はサラリーマンとして副業をすることを強く勧めています。
サラリーマン副業のメリット
サラリーマン副業のメリット
①じっくり地味に育てられる
②直観を速攻試せる
③個人と組織の力を同時に伸ばせる
副業は数年間じっくり育てて芽が出るということが多いため、サラリーマンをしながらの副業を勧めています。
しかし、時間は必要、成功した人たちは週20時間以上は副業に時間を使っていたようです。
平日も2時間ほどは副業に時間を割く必要があります。まずはリーマン力を鍛えるところから始めるのにも納得ですね。
選ぶべき副業
じっくり進めてスキルが積み上がる副業を選ぶのがおすすめとのこと。
ネットに関する副業、具体的にはYoutube、ブログ、ウェブライターなどネットと掛け合わせやすい副業がおすすめで、
さらには、個人ではなく企業のお金を狙えるビジネスを勧めています。
高額教材や怪しいネットワークビジネスは必ず避けましょう!
Twitterのメッセージとかでベタに勧誘してくる教材やネットワークビジネスってめっちゃ多いですよね。。。。
気をつけましょう。
副業のチョイス
・スキルが積み上がる副業
・ネットと掛け合わせやすい副業
→ブログ・Youtube・ライターなど
・企業のお金を狙える副業
本業収入を超える6つのステップ
①副業の軸を明確にする
なぜ副業をやるのか、いつまでにどれくらいのお金を稼ぎたいのか?を決めます。これがどんな副業に取り組むか、どれだけ時間が必要かにも大きく関わります。
②「好き」よりも「稼げる」仕事を選ぶ
美容、筋トレ、クレジットカード、仕事術、投資、不動産、恋愛など人気の題材を選ぶ必要があります。
③失敗前提で小さく試す
最初の副業でうまくいくとは限りません。いろいろ試して自分に合う副業を探しましょう。
④継続で「経験」を稼ぐ
自分に合う副業を見つけたら継続して経験値を上げていきましょう。
⑤ご指名をもらえる質に仕上げる
本業の収入を超え始めるのがこのステップだそうです。
⑥外注してチーム化する
忙しくなれば迷わず外注化して、取り組む仕事を増やします。
前半3つのステップは「どんな副業に注力するか決める」ステップなので素早く何度も繰り返した方が「副業力」はアップします。
後半3つのステップは「自分の時間単価を上げる」ためのステップとなります。
本書では、副業成功者4名の体験談も書かれていますが、軌道に乗るまでは週20時間以上の努力と数年の継続が必要だったみたいです。
インフルエンサー型とディレクター型
副業を極めるにも某大人気アニメと同じく自分に合う「型(=呼吸?)」があるようです。
本業においても「マネージャータイプ」だったり「職人タイプ」だったりもあるので、イメージは付きやすいのではないでしょうか?
私はおそらくは「マネージャータイプ」ですが、基本が冷めた性格なので「水」とか「氷」の呼吸の型が合うので、チームメンバーを鼓舞する際に情熱的な事を言うとめっちゃ嫌な汗をかきます。。。
副業においては、
影響力を発揮するインフルエンサー型と
専門スキルを極めるディレクター型に分けることができます。
インフルエンサー型は
物知り→営業マン→インフルエンサー
とジョブチェンジしていき、周りに有益な情報や世界観を伝える存在に進化していきます。
ディレクター型は
お手伝い→職人→ディレクター
とジョブチェンジし、職人スキルをマニュアル化し、職人集団のディレクターへ進化していきます。
このように自分の型を見極めて副業を選ぶことも大切なようです。
副業バレ対策
また本書は親切に副業バレの対策も講じてくれています。
副業バレ対策
・儲けても自慢しない
・住民税を普通徴収にする
・匿名でやる
現在も副業OKの企業は増えています。今後も増えていきます。
ただサラリーマンと兼業でやっている間は秘密、かつ匿名でやる方が色々と良い気もしますね・・・・。
ここも要点のみで、本書と比べてかなりあっさりとした説明でありますが、
副業力の説明は以上となります。
ワークライフバランスを保ちながら、副業の時間も確保し、サラリーマンを続けた方がいいというのが本書の推奨です。
マネー力
最後はマネー力。
リーマン力が筋力、副業力が刀とするとマネー力は資産を守るための盾。
この章では、手堅い投資、保険、節税などがメインに解説されています。
資産が5000万円以下なら、投資よりまずは副業を育てることが先です。
本書では、あくまでお金を増やすのは副業、賢く節約・運用するのがマネー力という位置付けです。
まず前提となるのが、お金との付き合い方、以下の3つの考え方が大切です。
お金の付き合い方
①何を買いたいのか忘れない
②お金の罠は「感情」でハマる
③「短期で稼ぐ投資」はただのギャンブル
①何を買いたいのか忘れない
お金はあくまで道具、自分が欲しいものは何かを忘れない、という意味です。
これは私も心当たりがあるので、グサリときました。
私も自由な時間が欲しくて投資を頑張っていた時期があったのですが、それはもう相場の動きに支配されて、自分の自由な時間も相場ばかり確認して無駄に過ごしていました。本末転倒とはまさにこのこと、早いうちに気づけて良かったと。。。
お金の先に実現したいこと、これを忘れないようにしましょう。実は今すでに実現できているのに気づいていない場合、結構あるみたいです。
②お金の罠は「感情」でハマる
お金の罠は感情、主に将来の不安でハマります。
持ち家、保険、ワンルームマンション投資、不労所得のための怪しいネットワークビジネス、全て不安が原因です。
③「短期で稼ぐ投資」はただのギャンブル
全てがそうとは言いませんが、ハイリターンのものはハイリスクです。
この前提を元に本書で推奨されている投資・保険・節税を紹介していきます。
投資
インデックスファンドに長期積立投資
長期に渡る毎月の積み立てで資産を安全に増やすの一択です。
インデックス投資はSBI証券がおすすめ!
保険
基本は毎月高額を支払わなければならない社会保険だけで十分。
扶養家族がいる場合は生命保険、マイホームを持っている人は火災保険、自動車に乗る人は自動車保険を追加するだけで問題なし。
また、住む場所の保険という意味で家についてもあわせて説明すると、
本書では、持ち家より賃貸をお薦めしていました。
これは個人の価値観にも依存すると思いますが、私も賃貸が良いと思います。
あとは結婚には約550万円、子育てには1人あたり3000万円かかるので、覚悟を決めて結婚と出産をしてくださいとのアドバイスもありました。
節税
副業の醍醐味の一つは経費での節税、しっかり活用しましょう。
主な節税方法
①副業の経費
②青色申告特別控除
③ふるさと納税
副業を事業とすることで、電子機器や書籍、セミナー費、交通費、交際費は全て経費で、家賃・光熱費などの一部も経費とすることができます。
日常のランニングコストをかなり節約できます。あとは青色申告で65万円の控除も大きいですね。
また親切にふるさと納税での節税の手順も説明してくれていました。
①年収などから決まる寄付上限額を確認
②好きな商品を選択
③お礼の品と証明書が届く
④確定申告orワンストップ特例制度
以上の手順で簡単です。
まとめ
本記事では、サラリーマンYoutuberサラタメさんの初著書『シン・サラリーマン』の要約を書かせていただきました。
本書の結論を振り返ります。
人生100年時代を生き抜くシン・サラリーマンには3つの武器必要です。
出世より「3つの武器」
①リーマン力:時間を作る
②副業力:稼ぐ
③マネー力:資産を守る
「リーマン力」を鍛えて、副業をする時間を確保し、
「副業力」を鍛えて、本業と副業で稼げるようになり、
「マネー力」で投資や税金とうまく付き合い資産を守っていくことが必要だ、という内容でした。
最後に読んでみての感想です。
600ページの本とは思えないくらいスラスラ読めました。
「ビジネス書を読み尽くした著者が厳選したビジネススキル」と「リアルな転職経験、副業立ち上げ経験の極意」が詰まった本書、
ビジネス書を始めて読む方、これから転職を考えている方、副業は始めたい方、全てのサラリーマンにおすすめのお得な一冊です。